自衛隊に入隊を考えている方や、すでに勤務している隊員の方の中には、「自衛隊には家賃補助があるのか？」と気になっている方も多いのではないでしょうか？
一般的に自衛隊員は、基地や駐屯地の営内（寮）や官舎（公務員宿舎）に住むことが多いですが、結婚や転勤、プライベートの充実などの理由で民間の賃貸住宅を選ぶことも可能です。
その際に利用できるのが「住宅手当（家賃補助）」です。
本記事では、自衛隊員の住宅事情を詳しく解説し、住宅手当の支給条件や金額、申請方法、官舎と民間賃貸の比較まで幅広く紹介します。
自衛隊で働きながら快適な住まいを確保するために、ぜひ参考にしてください！
目次
自衛隊の住居制度とは？住宅の種類を理解しよう
自衛隊員が住むことができる住居は、基本的に以下の3種類に分けられます。
営内居住（基地・駐屯地内の寮）
- 対象者：独身の隊員、新入隊員（主に曹士）
- 費用：格安（光熱費・諸経費込みで月数千円～1万円程度）
- 特徴：隊員としての基本生活が確立できるように、基地や駐屯地内に設けられた寮
新入隊員や若手の隊員（曹士に限る）は、基本的に営内居住が義務付けられています。
営内では規則正しい生活が求められ、共同生活の中で協調性や規律を学ぶ場でもあります。
官舎（自衛隊宿舎）
- 対象者：既婚者・転勤が多い幹部が主
- 費用：民間の賃貸よりも安い（家賃は1万円～3万円程度）、役職によっては0円
- 特徴：基地や駐屯地の近くにある公務員住宅で、家族向けの物件もある
官舎は、営内居住が難しい隊員向けに提供される公務員宿舎です。
特に既婚者は、官舎への入居が優先される傾向があります。
民間の賃貸住宅（家賃補助あり）
- 対象者：官舎が利用できない隊員・特別な事情のある隊員
- 費用：家賃の半額（上限28,000円）が補助される
- 特徴：自由度が高いが、自己負担も発生
官舎に空きがない場合や、勤務地の関係で官舎を利用できない場合、民間の賃貸住宅に住むことになります。
この場合、一定の条件を満たせば「住宅手当（家賃補助）」を受けることが可能です。
持ち家（家賃補助なし）
・対象者：営外居住を許可され、自宅を購入した隊員
・特徴：自由度が高い。家賃というものが無いため、自衛隊からの家賃補助は発生しない。
自衛隊の住宅手当（家賃補助）とは？
住宅手当の概要
自衛隊員が民間の賃貸住宅に住む場合、家賃の半額（上限28,000円）まで住宅手当が支給されます。
これは、国家公務員の住宅手当と同じルールに基づいており、家賃負担を軽減するための制度です。
| 家賃 | 住宅手当 | 自己負担額 |
|---|---|---|
| 60,000円 | 28,000円（上限） | 32,000円 |
| 50,000円 | 25,000円 | 25,000円 |
| 40,000円 | 20,000円 | 20,000円 |
つまり、家賃が56,000円以上であれば、最大額の28,000円が支給されることになります。
住宅手当の支給条件
住宅手当が支給されるためには、以下の条件を満たす必要があります。
住宅手当が支給されるケース
✅ 自衛隊官舎に空きがない場合
→ 官舎が満室で入居できない場合は、住宅手当の対象になります。
✅ 勤務地の関係で官舎に住めない場合
→ 転勤が多い職種（パイロット、幹部など）は、民間の賃貸住宅に住むことが認められる場合があります。
✅ 既婚者で官舎に適切な住居がない場合
→ 既婚者は独身寮（営内）に住めないため、住宅手当を受けながら賃貸に住むケースが多いです。
→また、既婚未婚に関わらず、幹部昇任を機に民間の賃貸住宅に住むケースが多いです。
宿舎に入居できず、民間アパート等に入居した場合、住居手当が支給されます。
住宅手当が支給されないケース
❌ 独身で営内居住が義務付けられている場合
❌ 持ち家に住んでいる場合
❌ 住宅手当の申請をしていない場合
住宅手当の申請方法
住宅手当を受けるためには、所属する自衛隊の人事担当に申請する必要があります。
基本的な手続きの流れは以下の通りです。
申請の流れ
- 官舎に空きがないことを確認する
- 賃貸契約を結び、契約書を準備する
- 住宅手当の申請書と賃貸契約書のコピーを提出する（人事担当へ）
- 審査後、承認されれば支給開始
居住場所を変更する際には、賃貸契約書の写し（住宅手当のために必要）や、住民票（転居の手続きに必要）の提出を求められるので、事前に用意しておきましょう。
官舎と民間賃貸のどちらが良い？
官舎・営内のメリット・デメリット
✅ 家賃が格安（1万円～3万円程度）
✅ 基地に近く通勤が楽
❌ 自由が少ない（生活ルールが厳しい、職場の人と顔を合わせる場面が多い）
❌ 建物が古いことが多い
民間賃貸のメリット・デメリット
✅ 自由な生活ができる（住む場所、部屋環境を選べる）
✅ 住宅手当が出るため、ある程度の負担軽減が可能
❌ 官舎より自己負担が大きい（住宅手当の上限は28,000円）
まとめ：自衛隊の住宅手当を活用しよう！
✅ 官舎や営内は格安だが、自由度が低い
✅ 住宅手当は最大28,000円支給されるが、条件を満たす必要がある
✅ 住宅手当を受けるには申請が必須！
自衛隊の住宅手当を上手に活用し、快適な住まいを確保しながら安心して勤務できる環境を整えましょう！
